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FXの手法って?基本スタイルや代表的な分析のしかたを紹介

  • FX

2019-11-01 更新

FX取引は、資産運用の方法として選択肢に挙がるものの一つです。しかし、株の取引と比較すると、FXはわかりにくいところや難しく感じられる部分が多いというのも事実でしょう。「どういう方法で取引するのか」がわからないために、FX取引に参加するのをためらってしまう人も少なくないはずです。今回は、FX取引をするうえでの基本的なスタイルや代表的な分析の方法について紹介しつつ、自分に合った投資手法を選ぶ基準について解説します。

1.FX取引の4つのスタイル

スマートフォンを持つ女性

FX取引のトレードスタイルは、大きく分けると4つの種類があります。「スキャルピング」「デイトレード」「スイングトレード」「ポジショントレード」のそれぞれの違いを解説します。

1-1.スキャルピング

スキャルピングとは、FX取引のスタイルのなかで最も短期的な取引を繰り返す手法です。短時間に新規注文、決済注文を行いますので1回の取引で得られる利益は、大きくはなりません。ですが、その小さな利益を積み重ねていくことで、最終的な利益を増やしていく手法です。1日に何十回も取引をする場合もあり、常に売買タイミングを探すことになるでしょう。そのため、スキャルピングで取引をする人は、短時間に新規、決済を行うための決断力の速さが求められます。

1-2.デイトレード

デイトレードは、建玉(ポジション)をその日のうちに決済するというスタイルです。前日までの状況を引きずることなく取引を開始できる点が魅力となります。その反面で、自分のルールを作り、それを必ず守るという意思の強さが求められるでしょう。たとえば、どれだけ上昇トレンドで買いポジションを持っていたとしても、その日の取引を終えるときには必ず決済するといった決断ができることが挙げられます。「もっとレートが上がりそうだから明日までポジションを持ちたい」といった誘惑に負けず、「その日のポジションはその日のうちに決済する」というルールを徹底しなければなりません。一見すると、利益を得るチャンスを逃しているように見えますが、ルールを守るということが大きな損失を防ぐ可能性があり、長期的にFX取引を継続することにつながります。そのためのルール作りが最も重要となる取引のスタイルだと言えるでしょう。

1-3.スイングトレード

スイングトレードは、数日から数週間かけて1回の取引を行う手法です。FXの相場には、ある程度の周期があるといわれており、中期的な相場の波を狙って利益を得ることを目的とします。そのため、常にチャートを見続ける必要はありません。スイングトレードは、普段PCやスマホで相場の動きを確認が出来ない方に向いている取引スタイルと言えるかもしれません。また、相場におけるトレンドが表れやすい通貨ペアを選ぶことも重要となります。

1-4.ポジショントレード

ポジショントレードでは、一つの取引に数カ月~数年の長い時間をかけます。そのため、一度の取引で得られる利益を大きくすることを目指す取引方法です。また、通貨ペアにおけるスワップポイント(取引する2つの通貨の金利差)を利用した利益も狙いやすいでしょう。自分が得意とする通貨ペアを見つけることができれば、ポジショントレードで利益を得やすくなるはずです。

2.FX取引の基本となる考え方

FXにおける取引の方法には、数えきれないほどの種類があります。ただし、基本となる考え方は大きく分けると2つです。「順張り」「逆張り」と呼ばれる2つの取引手法について解説していきます。

2-1.順張り

順張りとは、相場におけるトレンドに併せた取引方法です。たとえば、相場が上昇トレンド(為替レートが上がっていく流れ)になっていれば、将来的な値上がりを期待して買い注文を出します。その逆に、下降トレンド(為替レートが下がっていく流れ)なら、そのまま値下がりすると予想して売り注文を出します。順張りでは、トレンドの初期の段階で流れに乗ることが、収益を得るために重要になりますが、トレンドの初期段階なのか、そして、そのトレンドがどの程度続くのかを見極める必要があります。

2-2.逆張り

逆張りとは、トレンドに逆らうような取引手法です。ただし、順張りと反対の取引をするという意味ではありません。順張りは「トレンドに乗る」ことを意識する取引方法ですが、逆張りは「トレンドの終わり」に合わせて取引を行う手法です。相場におけるトレンドというのは、いずれ終わりを迎えます。上昇トレンドもいずれ終わりが訪れ、下降トレンドへと向かうでしょう。逆に、下降トレンドでもいつかは下落が止まり、やがて上昇トレンドが始まるでしょう。逆張りでは、「トレンドが切り替わるタイミング」を見極めて取引を始めます。たとえば、上昇トレンドから下降トレンドへ変わるタイミングを狙って、売り注文を出すことで利益を狙うわけです。「トレンドの終わり」を見極める必要があります。

3.FX取引のための分析手法

金融資料の上にある電卓やペン、パソコンなどのオフィス用品

FX取引では、トレンドなどの相場状況を見極める必要があります。そのために用いられる分析方法を理解することで、FX取引の上達につなげていきましょう。

3-1.ファンダメンタル分析

FX取引は、為替市場における取引によって利益を得る投資方法です。為替市場の動向を分析するための方法の一つが「ファンダメンタル分析」と呼ばれています。為替市場は、各国の金融政策や経済状況などから大きな影響を受けています。ファンダメンタル分析では、そうした為替市場に影響する情報を集め、そこから「為替市場はどう反応するか」を予想していくのです。ただし、金融機関のエコノミストやアナリストであっても、ファンダメンタル分析だけで相場の予想を立てるのは困難です。しかし、為替相場に影響を与える経済指標の発表時期を押さえておくなど、個人投資家であってもファンダメンタルがレートに影響を与えるということは理解しなければいけないでしょう。

3-2.テクニカル分析

ファンダメンタル分析とは違い、チャートを見解くことで今後の為替レートを予想する方法が「テクニカル分析」です。チャートの動向を見極める手法であり、大きく分けると「トレンド分析」「オシレーター分析」の2種類があります。

3-2-1.トレンド分析

トレンド分析とは、相場における為替レートの動きがどういう流れになっているのかを分析する手法です。為替相場の動きは複雑に見えるものですが、トレンドは3種類しかありません。「上昇トレンド」「下降トレンド」「横ばい(レンジ)」です。上昇トレンドのときに買い注文を出し、下降トレンドのときに売り注文を出すという「順張り」がFX取引の基本となることを考えると、トレンドの見極めはとても重要です。トレンド分析の手法は多数ありますが、たとえばサポートラインやレジスタンスラインなどの方法を用いることで相場を分析していきます。トレンド分析は、主にトレンドを見つけるための手法であるため、順張りによる取引に役立つものです。

3-2-2.サポートライン

サポートラインとは、日本語では下値支持線といい、相場がその水準を維持し、その水準よりも下降しないと思われる水準のことです。
多くの市場参加者がサポートラインを意識するため相場のポイントとなっており、それまで下落しても何度もそのラインからは下落しなかったために、サポートライン付近まで価格が下落すると買い戻しが入り、それ以上価格が下がりづらくなります。ただし、サポートラインで必ず価格が反発するものではありません。いずれは、サポートラインを割って下落することがあります。サポートラインで反発するのか、それともサポートラインを超えるのかを見極めることがトレードでは重要です。

3-2-3.レジスタンスライン

レジスタンスラインとは、日本語では上値抵抗線といい、サポートラインとは逆に相場がその水準よりも上昇しないのではと思われる水準のことです。
レジスタンスラインも、サポートラインとともに多くの市場参加者が注目するポイントとなっており、それまで買いポジションを持っていた投資家の利益確定の目安になります。
しかし、レジスタンスラインで価格が必ず下降するものではありません。レジスタンスラインを超えるのかを見極めることがトレードでは重要です。

3-2-4.オシレーター分析

オシレーター分析は、その時点で相場が「買われすぎ」か「売られすぎ」という状況を見極める分析方法です。トレンド分析では、売買のタイミングが決められない相場の動きが弱い状況で活用される手法だといえるでしょう。トレンドのような長期的な変化ではなく、その時点での売買の強弱という短期的な分析が可能になります。トレンド分析と併用することで、より細かな分析ができるようになるでしょう。

4.FXでよく利用されているテクニカル分析方法

分析資料をみる男性

FX取引でよく利用される分析の手法を知っておくことは重要です。為替相場の動向は、投資家の心理からも大きく影響を受けます。多くの投資家が利用する分析方法を理解しておけば、相場を予想するうえで大いに役立つでしょう。

4-1.移動平均線

移動平均線とは、チャート上に「一定期間の平均価格」をつないだ線を引いたものです。移動平均線には計算法の違いによって、「単純移動平均」「加重移動平均」「指数平滑移動平均」などの種類があります。また、平均を取る期間に応じて、使い分けるという手法もあります。移動平均線は、とてもシンプルで初心者にも扱いやすい分析手法の一つです。
例えば、計算対象の期間が異なる2本の移動平均線を利用して相場の反転を見ることが出来ます。移動平均線は、計算対象の期間が長くなるほど変動が緩やかになり、価格の変動に対して反応が鈍くなるという特徴があり、短期の移動平均線が、長期の移動平均線を下から上へクロスすることをゴールデン・クロスと言います。長期的な値動きに対して、短期的な値動きが強く上昇している場合に出現する買いのサインとなります。
また、ゴールデン・クロスの逆で、短期の移動平均線が、長期の移動平均線を上から下へクロスすることをデッド・クロスと呼びます。
長期的な値動きに対して、短期的に強く下落している場合に出現し、売りのサインとなります。

4-2.ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドは、一定期間の相場の振れ幅を測定して、統計学的な観点から変動範囲を予測するトレンド分析の手法です。正規分布の理論と標準偏差を利用することで、為替レートの振れ幅を予測します。ボリンジャーバンドでは、移動平均線をもとにして上下の振れ幅を表す4本の線を引きます。上から順に「アッパーバンド2」「アッパーバンド1」「ミッドバンド(移動平均線)」「ロワーバンド1」「ロワーバンド2」という線がチャートに描かれるのです。このうち、アッパーバンド1とロワーバンド1の間にレートの変動が収まる確率は約68%であり、アッパーバンド2とロワーバンド2まででレートの動きが収まる確率は約95%だと言われています。実際の値動きとともに、変動範囲の予測をチャート上に表示できるため、視覚的に確認しやすい分析方法です。

4-3.一目均衡表

一目均衡表は、相場のトレンド(傾向)や中長期的な見通し(価格の下げ止まりや上げ止まり等)などを示すテクニカル指標です。一目山人(いちもくさんじん、本名、細田悟一)氏が分析手法を考案し、長い年月をかけて作られた理論です。日本国内だけに限らず、海外のファンドマネージャーにも支持され、個人投資家の中でも人気があります。
一目均衡表は、転換線・基準線・先行スパン(2本)・遅行スパンの5本線を使い、時間論・波動論・値幅観測論の3つの理論から構成されています。相場は「売り手」と「買い手」の『均衡(パワーバランス)』が崩れた方向へ動き、方向性が確立した後、相場の行方というものは『一目瞭然』(いちもくりょうぜん)である、という考え方に基づいています。つまり一度動き出して方向性が確認できればその流れは続くという考え方となります。相場のパワーバランスを眺めながら、「いつ相場が変化するのか」「いつ目標値が達成されるのか」など、「いつ」といった「時間軸」を重視して相場の動向を予測します。

4-4.MACD

MACDは、トレンド分析とオシレーター分析の両方の側面を持った分析方法です。MACDでは、「指数平滑移動平均線(EMA)」が用いられます。「短期EMAと長期EMAの差」によって求められるMACDのラインと、シグナルと呼ばれるもう一つのラインを用いて分析を行います。MACDとシグナルの交点が売買タイミングであり、MACDがシグナルを下から上に追い抜く瞬間が買い、上から下に抜いたときが売り時となります。トレンドを読むために役立つ分析方法ですが、トレンドのない状態では予測が立てにくいといわれています。また、トレンドが発生する前のトレンド終盤はトレンドレスになりやすいため、決済タイミングのサインが読みにくいという点にも注意が必要です。

4-5.RSI

RSIは、そのときの相場が「買われすぎ」あるいは「売られすぎ」という状況を読み取るためのオシレーター分析の手法です。数値は0~100%で表され、70%を超えると「買われすぎ」な状況であり、30%を切ると「売られすぎ」と判断されます。ただし、急騰・急落が起こると、RSIが0%または100%で固定されてしまうため、役に立たなくなる場合もある点は覚えておきましょう。

4-6.ストキャスティクス

ストキャスティクスもRSIと同様に「買われすぎ」「売られすぎ」という相場の現状を分析するための手法です。RSIが終値をもとに計算するのに対して、ストキャスティクスはローソク足の安値や高値も計算式に含めます。そのため、ストキャスティクスのほうが振れ幅は大きくなることがあるという特徴があるのです。

『DMMFX PLUS』ではご利用いただけません。

4-7.DMI

DMIは価格の変動幅を数値化することで、トレンドの方向性や強弱を読み取るオシレーター分析の一種です。上昇トレンドの場合、前日の高値を当日の高値が更新することが多く、逆に下降トレンドなら前日の安値を当日の安値が下回りやすいという傾向から相場の強弱を読み取るという手法です。DMIの計算には実質変動幅や方向性指標など、さまざまな計算式が用いられています。

スマホ版取引ツールではご利用いただけません。

5.FX取引で気を付けたいこと

銀行通帳とペン

FX取引は資産運用の選択肢の一つです。大事な資産を投じるものであるからこそ、始める前に注意点について理解しておくことが大切でしょう。

5-1.時間帯に注意する

基本的に土日を除けば、FXの取引は24時間可能です。しかし、実際に取引を行う場合には、時間帯について注意しなければなりません。日本時間の早朝や年末年始などの変動の粗い(流動性の低い)ときは、スプレッドの拡大や値飛びの可能性が高くなります。また、ニューヨーク市場が開かれてから30分ほどの間(夏時間の場合は、日本時間の午後10時~10時半、冬時間の場合は、日本時間の午後11時~11時半)は、インターバンク市場(為替市場)の取引が活発になるため、取引に慣れていない間は、こうした変動が大きい時間帯は避けるといった判断も必要になります。

5-2.きちんと損切りする

FX取引において、「損切り」の考え方は重要です。損切りとは、一定の含み損が発生した時点で決済を行い、損失をそれ以上増やさないという判断を指します。含み損が発生したとき、「またレートが戻るかもしれない」と考えて決済を先延ばしにすると、含み損を膨らんでしまうリスクがあります。損切りをすれば、損失が確定してしまうものの、次の取引のために資金を残すことが可能です。資金を残すことで機会を待つこともできます。損切りの目安としては、自分であらかじめ決めた値幅を超えたときや、ファンダメンタルズが悪化したときが良いかもしれません。

5-3.余剰資金で取引する

FX取引では、預けた証拠金が全て失われたり、それ以上の損失が発生したりする可能性があります。そのため、生活に関わる資金まで投じるとリスクがとても大きくなります。また、余裕を持った資金運用をすれば、取引に対してある程度冷静な判断が下せるようになるでしょう。使える資金を限定することで、その範囲内で利益を得るための手法も探しやすいため、全ての資金を使おうといった考え方は控えておくべきです。

6.自分に合った手法を見つけるには

FX取引の手法は多く、全てを実践するというのは不可能です。新しい取引方法を試しつつ、自分に合ったトレードスタイルを見つけるように心がけましょう。「どういう時間帯に取引ができるか」「どの程度相場の様子を確認できるか」というのは、ライフスタイルにも関わります。無理をするような取引方法は、最終的な利益につながらないことも多いという点に注意しましょう。また、【DMM FX】では実際の資金を使わずに取引を試す「デモ取引」が利用できるため、新しい取引手法を試すときなどに便利です。また、【DMM FX】の「取引通信簿」では自分の取引の記録が確認できるため、改善点などを見つけやすいでしょう。

7.自分に合った手法でFX取引をしよう

タブレット端末で投資をする女性

FX取引ではさまざまな取引手法や分析方法があり、投資家によってどういうスタイルで取引をするかは異なります。「自分に合う取引スタイルはどういうものか」を考えることが重要です。しっかりと取引手法を確立できれば、どんなことがあっても慌てずに落ち着いてにFX取引を進められるようになります。

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