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これだけはマスターしたい!FXチャートの読み方・分析方法

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FX取引では、相場の動きを予想することが求められます。相場を読む手法はたくさんありますが、なかでも基礎となるのが「チャート分析」です。その時点までの相場の動きを示すチャートから、将来の動向を予想するという方法は、多くのトレーダーが用いています。これからFXを始めようと考えている人も、チャートの読み方や分析方法について、しっかりと理解しておく必要があります。ここでは、チャート分析の重要さを解説するとともに、最低限押さえておくべき分析方法も紹介します。

1.FXにおいてチャート分析がなぜ重要か?

チャートグラフイメージ

FX取引において、チャート分析は多くのトレーダーが用いている手法です。基本的な理解があるかないかで、トレードの仕方にも変化が出てきます。まずはFX取引を始めるにあたり、どうしてチャート分析が必要なのかを解説します。

1-1.トレーダーの多くが見ている

FX取引では、多くのトレーダーがチャートを参考にして売買を行っています。為替の相場というのは、トレーダーの動向に影響を受ける面があります。そのため、チャートの動きに対して、多数のトレーダーたちがどのような判断を下して、どのような投資行動を選択するかを読むことが重要になります。そのためには、トレーダーたちの多くが参考にしているチャートの読み方を知っておく必要があります。チャート分析を学ぶことは、同じ為替相場で取引を行っているほかのトレーダーの動きを読むことにつながります。

1-2.過去の客観的な記録である

チャートというのは、これまでの相場の動きを記録したものです。それは、実際に相場が動いた記録となりますので、「この相場がどのような変化を経験してきたか」を客観的に見ることができるデータになります。「過去はあくまで過去であり、将来の動向とは関係ない」と感じる人もいるかもしれませんが、過去の記録というのは「確かにあった事実」を示すものであり、将来の動きを分析するうえで充分に参考となります。だからこそ、チャート分析について学ぶ必要があると言えます。

2.FXのチャート分析でわかること

ローソク足チャートとペン

FX取引でチャート分析を活用するとして、そこから見えてくるものが何かという点が重要です。チャートの読み方を理解することで、FX取引が有利になる理由について解説していきます。

2-1.売買のタイミング

FX取引では、売買する通貨の組み合わせとタイミングがすべてです。「どの通貨とどの通貨をどういうタイミングで買う(売る)か」を見極めることができれば、FX取引をより深く知ることが出来ます。しかし、通貨の組み合わせは選べたとしても、売買のタイミングを判断するのは簡単ではありません。そもそも、相場の動きには絶対的な規則性はなく、必ず当たる予想を行うことはできないからです。どれだけ確実そうに見える予想でも、間違ってしまう可能性は十分にあります。だからと言って、大切な資産をギャンブルのように感覚に頼って投資するのは危険すぎます。そのため、チャート分析によって「根拠のある予想」を立てる必要があります。

どれだけ根拠があっても必ず当たる予想にはなりません。しかし、根拠のある予想は当たる確率を高めます。少しでも利益を出す可能性が高い売買のタイミングを見つけるために、チャート分析が必要になります。

2-2.為替市場におけるニュース

チャートの動きを読み取ることで、為替市場におけるトピックを読み取ることが可能です。チャートが大きく動くときや特徴的な形が見られる場合、為替市場で何が起こっていたのかを推測できます。たとえば、重要な経済指標の発表や各国要人の発言などがチャートを動かすことも少なくないからです。ニュースや統計などから相場の予想を行うファンダメンタルズ分析も重要ですが、それだけでは読み取れるデータが限定的になります。チャート分析も組み合わせて利用することで、より精度の高い予想と取引ができるようになります。

3.様々な時間軸から確認!FXチャートの見方

チャートを見るビジネスマン

FX取引において、チャートは相場を予想するための重要なデータです。そのため、チャートの仕組みや読み方を理解してから、取引を始めるようにしましょう。チャートに関する基礎的な情報と、そこからどのようにして相場の動きを予想するのかについて、詳しく見ていきます。

3-1.縦軸と横軸の意味

チャートで表されるものは、主に2つです。1つ目は縦軸によって示されている「為替レート」であり、「2種類の通貨を交換する場合の比率(価格)」です。たとえば、USD(米ドル)/JPY(日本円)のチャートであれば、「ドルを円と交換する場合、1ドルはいくらになるか」が表されています。2つ目は横軸で示される「時間」です。チャート全体としては「ある時期に為替レートがいくらになっていたか」を読み取ることができるデータになっています。

チャートには、横軸の単位が異なるものがあります。たとえば、1日ごとの価格を基準に作られるチャートもあれば、分刻みで為替レートを読み取れるチャートもあります。これは、FX取引のスタンスによって、必要となるチャートが異なるからです。短期で多数の取引を行うトレーダーであれば、分単位のチャートが必要になります。逆に、1カ月や1年単位の長期トレードを行う場合は、1日や1週間単位のチャートを使うほうが便利です。

3-2.FX取引でよく聞くローソク足とは?

チャートには数多くの種類があります。なかでも、特に多くのトレーダーが利用しているのが「ローソク足チャート」です。ローソク足チャートでは、1日や1週間あるいは1カ月などの単位期間における「始値」「終値」「高値」「安値」がチャート上に表示されます。始値は、その単位期間が始まったときのレートであり、終値は期間終了時のレートです。高値は期間中に記録されたもっとも高いレートであり、安値は期間中で最も低かったレートを指します。これらを棒状のグラフの形や色によって表現しており、1つのチャートでさまざまなデータを読み取れるとして重宝されています。ローソク足チャートは、単位期間の長さによって呼び方が異なり、1日単位のものを「日足(ひあし)」と呼びます。ほかに、1週間単位の「週足(しゅうあし)」や1カ月単位の「月足(つきあし)」などがあります。

3-3.チャートパターンを知る

チャートには特徴的な形が現れることがあります。たとえば、「逆ヘッドアンドショルダー」は、トリプルボトムや逆三尊とも呼ばれています。ヘッドアンドショルダーの逆パターンであり、まず安値をつけた後に上昇してから再び下落します。前の安値よりも低い位置の安値をつけるといった特徴があります。そして、三度目の安値をつけることとなるものの、これは二度目の安値よりも高い位置に収まります。そこから上昇してネックラインを抜けていく地点が、買いシグナルとされています。逆ヘッドアンドショルダーは、V字が3回描かれる特徴的な形をしているので、FX初心者であっても比較的見つけやすいチャートパターンでしょう。

4.テクニカル指標でより深いチャート分析を

帳手帳

チャート分析で用いられる「テクニカル指標」を理解することで、より詳しい相場の予想が立てられます。テクニカル指標には多くの種類があるため、それぞれの特徴などを押さえておくことが大切です。

4-1.テクニカル指標

テクニカル指標とは、過去のチャートのデータから、今後の相場の動きを予測するために作られた指標です。テクニカル指標は大きく分けて「トレンド系指標」と「オシレーター系指標」の2種類があります。あまりにも大きな暴騰・暴落が起こるような事態は、テクニカル指標が機能しなくなる場面もありますが、一般的な相場状況では将来的な値動きを予測するのに役立ちます。そのため、自分のトレードスタンスに合ったテクニカル指標を見つけることは、FX取引の上達に重要となります。なかでも、トレンド系指標は取引のタイミングを教えてくれるトレーダーの強い味方となる場合が多いです。

4-2.トレンド系指標

トレンド系指標とは、現在の相場トレンドを読むための指標です。相場のトレンドは、「上昇トレンド」「下降トレンド」「横ばい(レンジ)」の3つしかありません。この3つのトレンドのうち、「今後はどのトレンドになるか」を予想するために用いられるのがトレンド系指標です。上昇トレンドで買い、下降トレンドでは売り、レンジでは様子を見るというのが取引の基本となります。だからこそ、トレンドを読むためのトレンド系指標は重要です。トレンド系指標のなかには、初心者にも扱いやすいものがいくつかあるため、そうしたものから利用してみるのが良いと言えます。

4-2-1.ローソク足

ローソク足チャートは、始値よりも終値が高かった場合には赤色の「陽線」に、始値より終値が低かった場合には青色の「陰線」になります。また、ローソク足には「ヒゲ」と呼ばれるものがあり、「上ヒゲ」「下ヒゲ」という種類があります。上ヒゲが伸びている場合は、終値や始値よりも価格が上がったタイミングがあったことがわかり、下ヒゲが伸びていれば終値・始値以下に価格が下がったタイミングがあったことを示しています。

たとえば、上ヒゲが長く伸びているローソク足からは、一時的にレートが上昇したにもかかわらず、その後に売り圧力が高くかかったため上昇が止まったことがわかります。この場合、そろそろ下落へと転じていく可能性があるといえます。逆に、下ヒゲが長く伸びていれば一時的な下落は止まり、レートが上昇に転じる兆しがあると判断することができます。ただし、1つのローソク足だけで将来的な動向が簡単にわかるわけではありません。トレンドを正確に読むためには、より長期的な視点から分析する必要があります。

4-2-2.移動平均線

トレンド系指標としての移動平均線の代表的なものに「単純移動平均線」があります。一定期間の平均的なレートを線でつないだ指標であり、一般的にはチャートに重ねる形で示されます。移動平均線には、平均を取る期間に応じて種類が異なるため、「長期平均線を使うか短期平均線を使うか」はトレードのスタンスなどから選ぶ必要があります。移動平均線には様々な見方がありますが、移動平均線自体が意味を持つ動きをするパターンで代表的なものが2種類あります。1つ目は「サポートライン」と呼ばれ、チャートの動きが移動平均線を下回らない状態です。これは、投資家の「安い価格で購入したい」という意識を反映している状態であり、上昇トレンドが続いていく兆しであるとされています。

2つ目の「レジスタンスライン」はその逆であり、チャートが移動平均線を上回らない状態が続くものです。「平均線付近まで上昇したら売ろう」という投資家心理の表れであり、売り圧力が強い下降トレンドが続いていく可能性が高いと言えます。ただ、サポートラインやレジスタンスラインは一度突き抜けると、トレンドが反転する可能性があるため注意しましょう。

4-2-3.ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドとは、チャートに対して標準偏差と正規分布の概念を当てはめた指標です。値動きが収まりやすい幅を示すものであり、そこから「レートが上昇しすぎである状況」あるいは「レートが下降しすぎである状況」を読み取るために利用されます。ボリンジャーバンドでは、まずチャートの動きの「中心線」を取ります。そこから正規分布の論理を用いて、「σ(シグマ)」という呼ばれる幅で4本の線を引くのです。中心線から1つ上の線が「+1σ」、もう1つ上の線を「+2σ」と呼びます。反対に中心線の1つ下に「-1σ」、その下に「-2σ」です。「+1σ」および「-1σ」の範囲で値動きが収まる確率は約68.2%であり、「+2σ」「-2σ」で収まる確率は約95.4%であると言われています。

4-3.オシレーター系指標

オシレーター系指標は、現在の価格やトレンドに関わらず、その時点で相場が「買われすぎ」あるいは「売られすぎ」であるかを判断するための指標です。そのため、短期かつ価格に大幅な動きがない状況で利用するのに見る指標だと言われています。

4-3-1.RSI

一定期間における値上がり幅と値下がり幅を利用し、「買われすぎ」あるいは「売られすぎ」を判断するための指標がRSIです。一般的にRSIの値が25~20を割り込むと売られすぎなので買いシグナルであり、70~80を上回ると買われすぎなので売りシグナルであると判断されます。ただし、急騰・急落が起こった場合はRSIの値が0または100で動かなくなってしまい、指標として利用できない場合もある点には注意が必要です。

4-2-1.MACD

MACDは「移動平均収束拡散手法」と呼ばれ、短期の移動平均線と中長期の移動平均線を使用することで売買の判断を行うための指標です。MACDで使用される移動平均線は、単純移動平均線とは異なり、新しいレートのほうがより影響力が高いという考え方によって、新しいレートの比重を高めて計算されています。MACDでは、「基本線(テクニカル名と同じMACDと呼ばれる)」と、基本線の移動平均線である「シグナル」の2本の線によって相場の状況を判断します。

まず基本線が右下がり、かつシグナルが下回っているときは相場が弱いと言えます。その後、基本線がなだらかになってシグナルを上回るときが買いタイミングとなります。そして、基本線が右上がりになり、かつシグナルを上回っている状態は強い相場です。そこから、基本線がなだらかになりシグナルを下回るときが売りタイミングになります。このように、現在の価格やトレンドに関わらず、その時の売りと買いのタイミングを計るために利用されるのがMACDです。

5.指標以外の分析手法!

テーブルの上の新聞を読むビジネスマン

チャートを分析する方法は、テクニカル指標を用いたものばかりではありません。テクニカル指標を学んだうえで、それぞれの分析方法を身につけることで、FX取引の上達がさらに早まります。ここではチャート分析の方法として代表的なものを2つ紹介します。

5-1.チャートパターン

チャートパターンとは、チャートのなかによく現れる決まった形のことであり、今後の相場の動向について予想しやすいとされる状態を指します。「天井のサイン」「底値のサイン」「持ち合い解消のサイン」の3つに大別され、現在や将来のトレンドを予想する参考になります。それぞれのサインには、いくつか有名なチャートの形があるため、あらかじめ記憶しておくと良いでしょう。

5-1.トレンドライン

トレンドラインとは、ローソク足チャートにおいて、ローソク足の高値同士あるいは安値同士を結んで引く線です。テクニカル指標が特別な計算を行わなければいけないのに対し、トレンドラインはチャートがあれば自ら線を引くことができます。トレンドラインを引くことで、チャートだけでは読みにくいトレンドの変化を把握しやすくすることが可能です。

6.自分に合った分析手法を見つけることが第一歩!

FX取引の際に利用できるチャート分析の方法はたくさんあります。ここで紹介したもの以外にも、多くの分析方法・指標があるため、自分に合ったものを探すことが重要です。さまざまな分析方法・指標を用いて取引をするなかで、自分のトレードスタンスなども確立していくでしょう。【DMM FX】では、チャート分析のための豊富なテクニカル指標が用意されているため、初心者でもいろいろな分析方法を試すことが可能です。

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