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ナンピン・トレードとは?FXをするうえでのナンピンの特徴と注意点

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FX取引は常に思うような結果が出るとは限りません。思惑とは逆に相場が動いてしまうこともあり得ます。結果として含み損が出た時の手法の一つに「ナンピン」があります。FX取引の手法は、数えきれないほどの手法がありますが、「ナンピン」はリスクが高い取引手法として知られています。基本的な特徴をよく理解しておかなければリスクだけが高まってしまう可能性があります。ここでは特徴とリスクを理解し、この手法を取引に役立てるか否かを判断していただければと思います。

1.FXにおける「ナンピン・トレード」とは?

ナンピンは、含み損が出た時の手法の一つだと言われています。ただし、デメリットやリスクも大きいとされ、安易に始めるべきではない手法であるとも言われます。まずは、ナンピンの意味やナンピン・トレードがどういうものかを説明します。

1-1.「ナンピン(難平)」の意味

ナンピンという言葉の歴史は古く、江戸時代にはすでに使われていたと言われています。江戸時代より、ナンピンにはあまり良い意味がなく、「愚か者」というイメージがついていたようです。ナンピンは、漢字で書くと「難平」になります。これは「難を平らにする」という意味であり、損を平均化することを指しています。

1-2.FXにおけるナンピン手法の具体例

ナンピンは、含み損が出た時に損失を平均化することで利益を得やすくすることを目的とします。最初に保有したポジションに対し、予想とは反対に相場が動いたとき、さらにポジションを増やすことで平均コストを下げる手法です。平均コストが下がることで、利益が出やすくなるため、有利に取引を進められることがあります。具体例をあげると、1米ドル=100円の相場で買いポジションを1Lot保有したとします。しかし、予想に反して1米ドル=98円まで下がったとき、1Lotのポジションを新たに保有します。そうすると、2Lotのポジションを1米ドル=99円で保有したことになります。

そのため、相場が99円まで戻れば損失は消え、99円を超えれば利益を得られるようになる、というメリットがあります。一見すると効率の良い手法の様に見えますが、更に予想に反して1米ドル=97円,96円…と損失が膨らみ、最終的に損切りをすることになれば、すべてのポジションに損失が発生するため、当社の想定より大きな損失が発生する恐れがあります。。また、予想外の方向に相場が動いているなかでポジションを増やしていくため、精神的な負担も大きくなるでしょう。

2.ナンピンがハイリスクとされる理由

ナンピン・トレードにはメリットもありますが、多くのトレーダーから「リスクの高い手法」とみなされているのは、それだけの理由があります。どうしてナンピンがハイリスクと呼ばれているのかを理解しておく必要があります。

2-1.資金管理の難しさ

ナンピン・トレードで利益が出る場面としては、「相場が上昇・下降を繰り返す」ことが条件の一つとなります。買いポジションを保有した場合においては下降している間にポジションを増やし、上昇したら決済するという手法だからです。しかし、ここで考える必要があるのは、「いつ価格が戻ってくるのか」という点です。例えば年単位で相場が下がり続ける長期トレンドに入るケースがあります。こうなると、ナンピン・トレードも長期間継続して行わなければなりませんし、ナンピン・トレードを行う最大のリスクは、資金の管理に失敗することです。ナンピン・トレードの一番の特徴は、「損切りをしない」ことで利益を得るという点にあります。そのためには、含み損が発生するたびに平均コストを下げる目的で新しいポジションのために資金を投入する必要があります。しかし、それは同時に新しいポジションを増えることによって、それだけ含み損が大きくなる可能性を生みます。

たとえば、2007年以降の米ドル/円の相場は長く下降トレンドが続きました。2007年には1米ドル=120円を超えていた相場が、2013年ごろまで下降を続けました。もし2007年に1米ドル=120円のポジションを保有した場合、その後の下げ相場でナンピン・トレードを繰り返していたとしても、決済可能になるのは2013年以降のことになります。それは6年間という長期にわたりナンピン・トレードをするための資金を投入することになり、資金効率が良いとは言えません。そのうえ証拠金に充分な余裕がなければ損切りせざるを得ない状況となり、それまでに保有していたすべてのポジションで損失が発生します。

2-2.メンタルに左右されて失敗しやすい

ナンピンには「精神面から影響を受けやすい」「心理的な負荷が大きい」という面があります。例えば、最初はナンピンをするつもりがなかったポジションにもかかわらず、「損切りをしたくない」という気持ちからナンピンへと走るというケースがそれに当たります。元々が「損失を回避しよう」とする心理ですので、そこからさらに相場が不利に動くと、「ここであとには引けない」とさらにポジションを増やし、また更に相場が不利に…といった悪循環に陥りかねません。

また、買いポジションを保有した場合において、ナンピン・トレードは値下がりをした時点でポジションを増やすことで平均コストを下げる手法なので、少しでも相場が下降するとナンピンをしたくなる欲求が生まれます。もし下げ相場が続いてしまうと、その間はずっと買い増しを行うことになり、資金が無限にあればいつか相場の上昇を待てばよいものの、上昇を待たずしていずれ資金が尽きてしまうこともあり得ます。その後も価格が下がり続けた場面でロスカット注文が執行され、多額の損失となってしまうケースも考えられます。

しっかりとしたルール作りと、それを守る精神力がなければ、リスクだけが高くなってしまいます。特に、初心者がいきなり始めると、こうしたパターンに陥りやすいので注意が必要です。

2-3.スワップポイントによる損失の恐れがある

FX取引の通貨ペアにおいて、2つの通貨の金利調整額を「スワップポイント」と呼びます。金利の安い通貨を売り、金利の高い通貨を買えば、スワップポイントの分だけ利益を得ることができます。ナンピン・トレードでは、スワップポイントによる利益を狙うことはできますが、スワップポイントは常に受け取るものだとは限りません。金利の高い通貨を売り、金利の安い通貨を買った場合は、逆にスワップポイント分の支払いを求められるます。スワップポイントを支払わなければならない状態(マイナススワップ)でナンピン・トレードを行うと、より不利な取引を続けることになります。

ナンピン買いは、ポジションを増やし続ける手法であり、相場が反転するまでポジションが増え続けることになります。もしマイナススワップが増え続ける状態ででナンピン・トレードを始めると、続けている間はスワップポイントを支払い続けることになります。さらに、ポジションが増えるほどに、支払わなければならない額も大きくなります。そのため、マイナススワップになる取引でナンピン・トレードを行うのは特にリスクは高いと言えます。ナンピン・トレードを行う場合は、通貨ペアに設定されたスワップポイントもきちんとチェックしておく必要があります。【DMM FX】には、日ごとに付与や支払いが行われるスワップポイントを示した「スワップカレンダー」があるため、活用するとよいかもしれません。

3.ナンピン・トレードを行う際の注意点

「ナンピンは危険」とする人は少なくありません。特に「損切りしたくないからナンピンしよう」といった、その場の勢いや感情だけで行うナンピンは、リスクばかりが大きくなる無謀な手法です。もしナンピン・トレードを行おうとするのであれば、自分なりのルールをきちんと構築し、それに従ってトレードを行うスタイルを貫く必要があると言えます。

たとえば、ナンピンを行うタイミングを見極める方法の1つに、「移動平均線からどれだけ乖離したか」というポイントがあります。移動平均線から相場が大きく離れた場合、反発して価格が戻る可能性が高いからです。乖離幅を見るための指標として、「エンベロープ」を活用してみると良いかもしれません。エンベロープは、移動平均線から上下に一定の幅で乖離させた線のことであり、チャートと移動平均線の乖離の度合いを見るのに役立ちます。たとえば、相場が上昇して上側のエンベロープに近づいた場合、「もうすぐ下げ相場に転じる」と予測して逆張りで売り注文を出すわけです。

ただし、エンベロープはあくまで目安であり、必ずしもトレンドが変化するとは限りません。トレンドが強い場合、エンベロープを上回りつつ上昇を続けたり、逆に下回ったまま下降したりすることもあります。そのため、予想と逆行するリスクに備えて、きちんと損切りを行うラインを設定しておく必要もあります。

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