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トレンド転換のタイミングはどう判断する?分析方法について解説!

  • FX

FX取引において、もっとも重要とされているのはチャート分析です。為替レートの動きを表すチャートの見方を身につけ、そこから「トレンド」を見極める必要があります。トレンドを判断できるようになれば、売買タイミングを見つけられるようになります。しかし、トレンド判断は基本ではありますが、手慣れた投資家にとっても難しいものです。今回は、チャートからトレンドを判断したり、トレンド転換を見極めたりするための方法について紹介します。

1.FXにおけるトレンド判断の重要性

ラップトップコンピュータを使う女性

FX相場はトレンドが続きやすい傾向があると言われます。そのため、きちんとトレンドを見極めることができれば、利益を得やすい環境だと言えます。プロの投資家でも、為替相場におけるトレンドを見つけることで、売買のタイミングを決めている人も多いです。FX取引は、決してギャンブルではありません。客観的な判断にもとづいた投資を行うことが求められます。トレンド判断は、FX取引を上手に続けるためには欠かせないものですから、正しい知識を身につける必要があります。

2.FXのトレンドにみられる3タイプとは?

ビジネスイメージ

為替相場におけるトレンドは3種類しかありません。「上昇トレンド」「下降トレンド」「レンジ」であり、まずはそれぞれの特徴を理解することが大切です。3つのトレンドのタイプがどのように違うのかを紹介していきます。

2-1.上昇トレンド

為替相場はいったん特定のトレンドに入ると、しばらくはトレンドが維持される傾向があります。そのため、トレンドを見極めることができれば、その後の相場の動きを予想しやすくなります。「上昇トレンド」は、3つのトレンドのうち、「為替レートが継続的に上昇していく流れ」です。上昇トレンドに入っている状況では、為替レートが上向きに動く可能性が高くなります。

2-2.下降トレンド

下降トレンドは、上昇トレンドとは反対に「為替レートが継続的に下降していく流れ」です。そのため、下降トレンドに入っている相場では、為替レートは次第に下向きに動いていきます。下降トレンドに入っていると、将来的に価格が下がっていく可能性が高くなります。下降トレンドと判断した場合には、その後の値下がりを期待して売り注文を出すというのが基本となります。

2-3.レンジ(保ち合い)

レンジ(保ち合い)では、価格が上昇も下降もしない状況です。ただし、これは全くレートが動かないという意味ではありません。短期的にはレートは上下するものの、一定の水準を保ったまま、上昇にも下降にも振り切れない状態が続くということです。そのため、中期的な取引では利益を得にくい相場となるため、売買を控える人が多い状態だと言えます。トレンド分析とは異なるオシレーター分析を用いた短期取引で、利益を得るという手法が向いているかもしれません。

3.FXのトレンドを判断する3つの方法

グラスコップに入っている日本円硬貨

3種類のトレンドがあり、それぞれに合った取引の方法があります。しかし、トレンドや取引方法がわかったとしても、「今はどのトレンドなのか」がわからなければ、実際の取引では役に立ちません。ここからは、トレンド判断に利用される3つの手法について紹介していきます。

3-1.ダウ理論での判断

ダウ理論は、トレンド判断において最も有名な手法だと言われています。ダウ理論は6つの法則から構成されます。「平均は全ての事象を織り込む」「トレンドは期間に応じた3種類がある」「主要トレンドは3つの段階がある」「平均は相互に確認されなければならない」「トレンドは出来高でも確認されなければならない」「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する」の6つの法則から、トレンド判断を行うものです。わかりやすいものとして、「高値および安値が切り上がっていれば上昇トレンド、高値および安値が切り下がっていれば下降トレンドに入っている」という判断があげられます。

3-1-1.上昇トレンド

ダウ理論において、上昇トレンドであると判断される典型的なパターンは、高値と安値が切り上がっている状況です。ある高値が1つ前の高値を上回っている、あるいはある安値が1つ前の安値を上回っている状態が「高値・安値が切り上がっている」と言います。高値および安値の切り上がりが連続する状態は、ダウ理論において上昇トレンドだと判断されます。

3-1-2.下降トレンド

ダウ理論によって下降トレンドだと判断される典型例は、高値と安値が切り下がっている状況です。ある高値が1つ前の高値を下回っている、あるいはある安値が1つ前の安値を下回っている状態が「高値・安値が切り下がっている」と言います。時間を追うごとに、高値および安値が切り下がっている場合、下降トレンドであると判断されます。

3-2.トレンドラインでの判断

トレンドラインによってトレンドを見極めるという手法もあります。ローソク足チャートの高値同士、あるいは安値同士を結んで、投資家・トレーダーが自ら線を引きます。トレンドラインの引き方と分析方法がわかると、トレンドを見極める役に立つはずです。トレンドラインには2種類があり、ローソク足の安値を結んで書く「サポートライン」と、高値を結ぶ「レジスタンスライン」です。サポートラインとレジスタンスラインでは、利用するタイミングが異なるため、それぞれの特徴も含めて知っておくことが重要になります。

3-2-1.上昇トレンド

トレンドラインを利用して上昇トレンドを見極めるには、サポートラインを利用します。サポートラインは、「下値支持線」とも呼ばれ、安値同士を結ぶことで見えるラインです。為替レートが上向きに推移し始めたとき、チャートがサポートラインの上側にあるうちは上昇トレンドが続いていると判断されます。サポートラインの傾きが大きいほど、上昇トレンドが強い状態であり、なだらかになるほどトレンドは弱まります。

3-2-2.下降トレンド

トレンドラインを利用して下降トレンドを見極めるためには、レジスタンスラインを活用します。レジスタンスラインは、「上値抵抗線」とも呼ばれ、ローソク足の高値を結ぶことで見えてくるラインです。レジスタンスラインが大きく右下がりになっている場合、下降トレンドが強くなっていると判断されます。傾きがなだらかになるほどトレンドが弱まっている状態です。

3-3.移動平均線での判断

チャート分析に用いられるテクニカル指標のなかでも、扱いやすさから多くの投資家に愛用されているのが「移動平均線」です。移動平均線にはいくつかの種類があり、投資家の間でよく使われるのは「単純移動平均線」です。これは一定の期間における為替レートの終値の平均値を計算し、つなぎ合わせて線を引いたものを指します。単純移動平均線よりも直近の価格に比重を置いた「指数平滑移動平均線」や「加重移動平均線」などもあります。「どの時点での価格を重視するか」という点で違いはありますが、いずれの移動平均線も基本的な活用法は変わりません。

3-3-1.上昇トレンド

移動平均線によってトレンド判断を行う場合、「移動平均線の向き」および「移動平均線とチャートの位置関係」をチェックする必要があります。まず、移動平均線が右上がりに推移していれば上昇トレンドであると判断されます。さらに、為替レートが移動平均線の上側にあると、強い上昇トレンドが訪れていると見なされます。

3-3-2.下降トレンド

下降トレンドの判断を行う場合も、「移動平均線の向き」および「移動平均線とチャートの位置関係」が重要になります。移動平均線が右下がりになっていれば下降トレンドであり、移動平均線よりも下側にチャートがある場合は、強い下降トレンドが訪れると判断されます。

4.FXのトレンド転換はどうやって判断する?

カフェでスマートフォンとラップトップで勉強している女性

FX取引において、現在のトレンド状況を判断するのは重要です。しかし、トレンドはいつまでも続くというものではありません。ある期間、上昇あるいは下降トレンドだった相場が、別のトレンドに切り替わるタイミングがあります。この「トレンド転換」の瞬間を見極めることも、FX取引の上達には必要になります。トレンド転換が訪れているにもかかわらず、取引の方向性を変えないままにすると、思いがけない結果になる場合があるからです。だからこそ、トレンド転換を把握し、柔軟な取引を行うためにも見極め方を覚えておくことが大切です。

ただし、トレンド転換を狙った取引は、表面上はトレンドに逆らう「逆張り」の注文を出すことになります。トレンドに合わせた「順張り」と比較すると、逆張りはリスクが高いと言われているため、トレンド転換を狙う取引には慎重さが必要です。複数の指標を見比べたうえで、明確なサインを見つけることが重要になります。

4-1.ダウ理論での判断

ダウ理論では、高値・安値が連続して切り上がっている状態であれば上昇トレンドとして判断されます。しかし、高値(安値)が1つ前の高値(安値)を超えられなかった場合、トレンド転換のサインです。同じように、高値・安値が連続して切り下がっている下降トレンド中に、1つ前の高値(安値)を下回らなくなれば下降トレンドが終わる合図だとされています。

4-2.トレンドラインでの判断

トレンドラインの場合、サポートラインを上回り続けていれば上昇トレンドであり、レジスタンスラインを下回り続けていれば下降トレンドと判断されます。トレンド転換のサインは、上昇トレンド中にサポートラインを下に突き抜ける、あるいは下降トレンド中にレジスタンスラインを上に突き抜けるというものです。こうした相場の動きが現れた場合、その後にトレンドが変わる可能性が高いため注意が必要です。ただ、トレンドが転換するタイミングでは「ダマシ」も発生しやすいため、気をつけておく必要があります。明確にラインを超えたことを確認してから、ポジションを持つ意識が必要です。

4-3.移動平均線での判断

移動平均線におけるトレンド転換のサインは、「ゴールデンクロス」「デッドクロス」と呼ばれます。ゴールデンクロスあるいはデッドクロスを見つけるには、いくつかの移動平均線を組み合わせて使用しなければなりません。一般的には、平均値を計算する期間が短い「短期移動平均線」と長い期間の平均値を用いる「長期移動平均線」からゴールデンクロスあるいはデッドクロスを探すことになります。ゴールデンクロスは、上昇トレンドへとトレンド転換が起こるサインです。短期移動平均線が長期移動平均線を下回っている状況から、上側へと突き抜けて上昇していきます。

ゴールデンクロスが発生した場合、相場が上向きに転じたと判断され、買い注文を出すタイミングであるとされています。逆にデッドクロスは下降トレンドへと転換するサインです。短期移動平均線が長期道平均線の上側から、下へと突き抜けるように下降していく場合、相場が下向きに転じたと判断されます。

4-4.チャートパターンでの判断

チャートパターンとは、FX取引で使われるチャートのなかに現れる決まった形のことです。過去に何度も現れたことがある形であるため、「次も同じような動きを見せるだろう」と予測しやすいと言われています。上昇トレンドからの転換を示す形としては、「ダブルトップ」「ヘッド&ショルダー」といったパターンがあり、下降トレンドからの転換点では「ダブルボトム」や「逆ヘッド&ショルダー」などの形がサインになります。チャートパターンにはさまざまな種類があるため、すべてを覚えておくのは難しいです。ただ、チャートパターンを知っておけばトレンド転換を見抜く可能性が高まり、FX取引を有利に続けていけるようになるはずです。

ただし、チャートパターンはあくまで「過去には同じような動きがあった」というだけで、必ずしも同じような動きをするとは限りません。また、似たような形をしながら、以降の展開が異なるチャートパターンもあります。そのため、チャートパターンだけでトレンド判断をする場合には十分に注意する必要があります。

5.的確なトレンド判断でいつも冷静なFXトレードを!

チャート分析をする男性

FX取引では、的確なトレンド判断こそ重要です。トレンドを見極めることができれば、それだけ有利な取引を行うチャンスが増えていきます。しかし、トレンドの把握はプロの投資家・トレーダーでも間違えることがあります。これからFX取引を始める人や始めようと考えている人は、事前にしっかりと勉強しておくべきです。そのうえで、実際の取引を通じて経験と知識を身につけていくことが大切でしょう。【DMM FX】ではチャート分析に役立つテクニカル指標などを備えた、扱いやすいチャート画面が用意されています。また、「取引通信簿」によって自分の取引を振り返ることもできるため、初心者でも安心して利用できます。まずはデモ取引から始めてみるのも良いでしょう。FXにある程度慣れてきてから、さらに投資の幅を広げていくように心がけることが大切です。

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