ローソク足は何を表している?見方やFX取引の活用方法を紹介!
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FXをはじめとする相場においてチャート分析では「ローソク足」がよく用いられます。ローソク足をうまく活用することで、相場の動きや値動きなどさまざまなことが分かります。勘に頼らずトレードを行っていくために、ローソク足の仕組みを押さえておくことは大切です。今回は、ローソク足の意味や見方について解説していきます。
1.そもそも「ローソク足」とは?
まず、チャートの分析にはローソク足を理解しておく必要はあるものの、「そもそもローソク足とは何か」と疑問のある方へ、ローソク足の基本的な意味や見方について解説していきます。
1-1.ローソク足は何を表している?
チャート分析においてローソク足は始値・高値・安値・終値の4つ値動きをまとめて表すものであり、為替レートの動きが一目で判断できるものです。相場においては、単位期間ごとに始値(単位期間の最初の価格)、高値(単位期間の価格で最も高い価格)、安値(単位期間の価格で最も安い価格)、終値(単位期間の最後の価格)がつきます。一定期間に区切ってローソク足は表示され、相場全体の流れを把握することが出来ます。ローソク足が示す単位期間によって、分足(分単位のローソク足)、日足(1日単位のローソク足)、週足(1週間単位のローソク足)、月足(1カ月月単位のローソク足)などと呼ばれ1分といった短い足や月単位の長い足まで様々な単位があります。短期での取引か長期での取引かによって注目すべきローソク足の時間軸は異なるものの、いくつかの時間軸を見比べることによって相場状況を判断することが出来ます。
1-2.ローソク足には「実体」と「ひげ」がある
ローソク足を構成する要素として、「実体」と「ひげ」があります。実体とは、始値と終値で作られたボックスのことです。ひげは、実体から高値までの線を示す「上ひげ」と実体から安値までの線を示す「下ひげ」に分けられます。実体は始値と終値の差によって大きさが変化するもので、その差が大きいほど値動きが活発であったことがわかります。ひげは、「始値または終値」と「高値または安値」の差によって長さが変化します。
1-3.ローソク足は「陽線」と「陰線」の2つ
チャート分析においてローソク足は、「陽線(ようせん)」と「陰線(いんせん)」の2種類に分けられます。陽線は始値よりも終値の価格が高いローソク足のことで、実体の一番上が終値、実体の一番下が始値を表しています。陰線は始値よりも終値の価格が安いローソク足であり、実体の一番上が始値、実体の一番下が終値を意味しています。なお、陽線と陰線のいずれの場合であっても、上ひげの一番上が高値、下ひげの一番下が安値を表しています。
2.ローソク足の基本的な読み取り方
ローソク足の基本的な見方として押さえておきたい点は、「高値または安値」が「始値または終値」とかけ離れているほど、ひげが長くなるという部分です。上ひげが長い場合は、一時的に価格が上昇したものの、最終的には高くない値に落ち着いた状態を意味しています。逆に、下ひげが長い場合は、一時的に下落したものの、最終的には低くない値に落ち着いた状態を表しています。ひげの長さによって、相場がどのように動いたのかを一目で判断できます。
また、ひげが長い場合には、一気に値が動いたとしても反対方向に戻りやすいという傾向を読み取れます。また、実体が小さいときには相場の方向性がついていない状態となる傾向を読み取れます。さらに、ローソク足のなかには実体がない線が現れることがあります。これは、「寄引同事線(よりひきどうじせん)」と呼ばれるものであり、始値と終値が同じ価格であったことを表しています。寄引同事線が発生すると、相場の転換を示している可能性が高いと言われています。
3.ローソク足の代表的な形と性質
ローソク足の種類によって、それぞれ異なる傾向を読み取ることができます。代表的なローソク足の形状と基本的な性質について見ていきましょう。
3-1.陽線の場合
ローソク足の陽線は、大陽線・小陽線・下影陽線・上影陽線などと呼ばれるものが一般的です。大陽線(だいようせん)は実体が大きい陽線のことであり、強い上昇を意味します。加えて、ひげがない形は、トレンド転換の分岐を表している場合があります。小陽線(しょうようせん)は実体が小さい陽線であり、レンジ(横ばい)相場でよく見られる形です。上下どちらの方向に相場が動くのか迷っている状態を表していると言われています。
下影陽線(したかげようせん)は実体が小さく、下ひげが長いのが特徴です。将来的に値が上がる可能性を示唆しており、エントリーをするタイミングとして活用できます。そして、上影陽線(うえかげようせん)はローソク足の実体が小さく、上ひげが長いのが特徴です。弱気相場を意味しており、上昇トレンドが終わるときの1つのサインとされます。
3-2.陰線の場合
ローソク足の陰線は、大陰線・小陰線・上影陰線・下影陰線などと呼ばれるものが一般的です。大陰線はローソク足の実体が大きい陰線であり、強い下落を意味しています。連続して値下がりしたあとに、短い上ひげがついた大陰線(陰の大引坊主)が発生すると、特に弱い相場だと判断されることがあります。小陰線は実体が小さい陰線のことを指しており、レンジ相場では、小陰線と小陽線が連続して見られる傾向にあります。
上影陰線はローソク足の実体が小さく、上ひげが長いのが特徴です。値が上方向に伸びきれずにいるため、弱気相場となっていることがわかります。そして、下影陰線は実体が小さく、下ひげが長いのが特徴です。下影陰線が発生すると、将来的に値が下がることを暗示していると言われます。
3-3.寄引同事線の場合
寄引同事線と呼ばれる主なものには、十字線・足長同事・上十字・下十字・トンボ・塔婆などがあげられます。十字線は上ひげと下ひげがあり、始値と終値がピッタリと重なっている状態のローソク足です。十字線の発生はトレンドの転換ポイントとなることもあるので、注意しておくと良いかもしれません。足長同事(あしながどうじ)は、十字線の上下が長くなった線のことを表しています。売買が拮抗している状態を示すものであり、やがて相場がいずれかの方向に動くことを示唆していると言われています。
そして、上十字(うえじゅうじ)は積極的に買われている状態を示しており、下十字(したじゅうじ)は買いの圧力が弱まった状態を示唆していると言われています。
トンボは、ローマ字の「T」のような形をした線のことであり、高値圏または安値圏で発生した場合にはトレンドの転換を表しています。塔婆(とうば)はローマ字の「T」を逆さにした状態の線であり、高値圏または安値圏で発生したときには、トレンドの転換を意味しています。
4.ローソク足を使ったFX取引手法の例
チャート分析においてローソク足を使ったFX取引手法の具体例としては、プライスアクション・酒田五法などがあげられます。それぞれの特徴について解説していきます。
4-1.プライスアクション
「プライスアクション」は、ローソク足の高値と安値に注目する手法であり、ローソク足の形状を用いて値動きを予測します。欧米などでローソク足が使われるようになったのは、それほど昔のことではありません。元々、始値・終値・高値・安値の四本値をバーで表示し、欧米でよく使われるバーチャートが活用されていたため、始値と終値よりも「高値と安値」が重視される傾向にあります。プライスアクションは欧米において多くの人が活用している手法であり、相場の動きを読み解くのに重宝されています。
プライスアクションのバーの具体例として、「ピンバー」があげられます。ピンバーとは、ひげの長さが実体部分の3倍以上あるローソク足のことです。陽線であれば高値から、陰線であれば安値から20~30%以内の位置に実体があることも条件となっています。ピンバーが発生したときには、相場が反転する可能性が高いのが特徴です。
4-2.酒田五法
「酒田五法」は、山形県の庄内酒田の本間宗久が考案したと言われているトレード手法です。日本国内では有名な手法であり、多くの人が利用しています。酒田五法では始値と終値に注目し、ローソク足の組み合わせから相場心理を読み解いていくのが特徴です。テクニカル分析では、パターン分析に該当するものであり、チャートの形状をパターン化することによってトレンドや天井圏・底値圏を判断します。酒田五法は、「三山(さんざん)」「三川(さんせん)」「三空(さんくう)」「三兵(さんぺい)」「三法(さんぽう)」という5つのチャートのパターンが基本になっています。具体例として、ここではローソク足を3本活用する「三兵」を紹介します。これは、陽線が3本連続して右肩上がりに並んだ状態を指しており、力強い上昇を示しています。また、ほかにも陰線が3本連続して右肩下がりに並んだ形の「三羽烏」などがあります。三羽烏は典型的な下降相場を表すものであり、こうしたパターンを把握しておくことで相場の判断を素早く行えるようになるはずです。
5.FX取引でローソク足を見るときの注意点
ローソク足をうまく活用していくためには、単にパターンを暗記するだけでは不十分だと言えます。パターンを覚えるだけでなく、相場を動かしている背景などもきちんと押さえて、多面的に理解を深めておくことが大切です。ローソク足は投資家の心理や行動が反映されるものであり、常に複雑に動いています。そのため、以前は通用したパターンであっても、同じように通用するとは限りません。各国の政治情勢や経済状況など、ローソク足以外の情報にも意識を向け、ファンダメンタルズ分析の手法もうまく取り入れながら相場を判断していく必要があります。
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